ここ数年でパソコンのひとつのカテゴリとして確立されたゲーミングパソコン(以下:ゲーミングPC)。今まではネットでしか買えないようなシロモノでしたが、最近では大型の家電量販店に行くと、店頭にも並んでいます。
さて、ではそんなゲーミングPC。
- 耳にするけどどんなパソコンなの?
- どういう使い方をするものなの?
- ゲーム以外のことは出来ないの?
興味を持たれる方の疑問は様々だと思います。今回はそんな比較的新しく誕生したカテゴリであるゲーミングPCについて、触れていきたいと思います。
そもそもゲーミングPCとは?
ひとことでまとめるならばゲームを動かすために最適化されたパソコンです。オンラインゲームが流行る前の90年代ごろ?は、パソコンでのゲームは通常のハイスペックPC程度で十分処理できるものがほとんどでした。それが月日が流れオンライゲームが主流となり、ひいてはリアルな3Dグラフィックもバンバン多用されてるように・・・。
ゲームそのものがパソコンに与える負荷はどんどん増える一方。それでもその負荷に対応するためのパソコンがないとゲームができない。んじゃ、家電量販店に並んでいるようなパソコンではどうか?とスペックを見ると、一般用途じゃグラフィック処理が全然足りない…。それにもしあったとしても、設計やグラフィックのプロが使う様な過剰なスペックじゃ高価過ぎる!
・・・という経緯の過程で、「ゲームをこなす部分をハイスペックにし、その他は他を切り捨てる」というパソコンでゲームが快適に出来る、いわゆる“ピッタリスペック”が作られるようになりました。
それまでのゲーミングPCは自作パソコンの延長でしかなかったジャンル。今でこそパッケージ化され、パソコンの一つのカテゴリとして認知されてるようになりましたが、現実にはここ数年で確立された状況ですので、まだ歴史としては比較的浅いですね(^^;
一般に売られているPCやビジネスPCとは何が違うの?
まずは標準的なパソコンってこんなやつ
ノートパソコンやデスクトップパソコンなどは別として、そもそもいわゆる“普通の”パソコンとはどんなものかというと、これは家電量販店で売られている8~15万円くらいのパソコンのことをいいます。
パソコンはそんなにハイスペックではないけど、だいたいどんな用途(ネットサーフィン、映像鑑賞、表計算、画像編集 etc)もそれなりにこなすし、必要十分なソフトウェア(office系ソフトや年賀状、ウイルス対策ソフト etc)も標準でインストールされているというものです。
会社でよく見るビジネスモデルってこんなパソコン
ではビジネス系のパソコン、いわゆるビジネスPCはというと、事務用途に特化された業務用PCのことを言い通称はビジネスモデルです。
一般的には事務用に特化されたパソコンとして作られており、「表計算とワープロソフトしか使わないでしょう」とある程度割り切られたスペックとなっています。価格にして法人購入で6~12万円くらいが中心で、比較的安価に購入することができます。
ゲーミングPCはグラフィック系とその処理に特化したパソコン
ではゲーミングPCはというと、事務用途な使い方は一切なし!!グラフィックとその処理に特化させるぞ!というコンセプトで作られています。大きな違いとしてはグラフィック処理に携わる部分の構成。普通のパソコンでは不要なグラフィックボードの処理が良くなっていたり、パソコンの処理速度の根幹であるCPUとシステムメモリもハイスペックな仕様となっています。
そのかわり他のパソコンのように、標準では最低限のソフトウェアしかインストールされていませんし、office系ソフトも基本的にオプション。そのため標準的なパソコンやビジネスモデルのパソコンとは相反する存在というところですね。
ゲーミングPCを普段使いすることこうなる
ではグラフィックに強く、ゲーム用途に特化されて作ら得ているゲーミングPC。ネットサーフィンや事務的な普段使いは出来なの?というとそれはNo!です。前述したように違いとしては「グラフィックとその処理に特化」というだけで、事務的な使い方ができないわけではありません。むしろ、標準PCを進化させたイメージになりますので全体的にいろんなことが速く・スムーズになります。
では普段使いの環境下で使うと、標準的なパソコンやビジネスモデルとはどんな違いが出るかというとこんな感じです。
パソコンやソフトの起動が速い
応答速度が重要になるパソコンゲームの世界。そのため色んな処理がスムーズに動くようにゲーミングPCは仕立てられています。パソコンを使う日常で欠かせない起動・シャットダウンはもちろん、OSのアップデート処理(Windowsアップデート)や各種ソフトウェアの起動時間に至るまで、色んな待ち時間が減ります。
ネットサーフィンもサクサク
モバイル端末でのネットサーフィンが増えたとはいえ、パソコンでのインターネット閲覧も多いもの。中にはグラフィックを多用したウェブサイトや、YoutubeやHulu等のオンライン配信などで4K画質といった高画質・高負荷なものを見たりすることもあるかと思います。
3Dゲームを見越してスペックが作ら得ているゲーミングPCなら、そういう状況でもサクサク。なんなら4K液晶を複数接続しても動かせるくらいのパソコンもあるほどです。
マクロ処理や計算もスムーズ
事務環境で欠かせないのがExcelなどの表計算ソフト。中にはマクロやVBAなどがハードに組まれたファイルを使っている方もいらっしゃると思います。軽いデータなら普通のパソコンでも問題にならないと思いますが、締めの処理やデータ数の増加等では何かとソフトウェアの動作負荷が増えるモノ。
「マクロ起動したらパソコンが落ちた!」なんてことも、高負荷に対応したゲーミングPCならなんてこともなく、サクッとスムーズに処理しちゃいます。
ゲーミングPCが向いているゲーム以外の用途
前述のとおり、ゲーミングPCはゲームしかできないわけではなく、普段使いでもそれなりに貢献してくれるパソコンかと思います。では、ゲーミングPCがゲーム以外の用途として向いているのはどんなことがあるかまとめます。
画像系ソフトの活用やタブレットの使用
画像編集ソフトといえばAdobeのPhotoshopやlightroom、illustratorなどが有名ですね。当然それらのソフトはパソコンに相当な負荷を与えますし、なによりパソコンの処理が良ければよいだけスムーズに動いてくれます。(Photoshopなんかはソフトが占有できるシステムメモリを変えると動きが全然違います)
そして反応速度が良いゲーミングPCなら、レタッチやお絵かきを行う際にもスムーズ、かつストレスフリーに描写してくれます。タブレットとかを使う方ならきっと如実に差が体感できると思いますよ!
近年の4kなどの高画質動画の閲覧や編集
4Kの映像もずいぶんと一般的になってきたものです。最近ではスマホでも撮影できるようになってきましたし、そうなるとパソコンで4Kを閲覧したり編集・配信する機会も増えると思います。
とにかくいえることは4Kは重い!中の下ぐらいのパソコンだと確認するのもしんどいほど。(まぁ、この辺りの機種になるとスマホの方が高性能だったりもしますから…)4K画質でなくともフルHDが標準となっている現在ではある程度映像に特化したパソコンも一家に一台は必要でしょう。
たぶんゲーミングPCが初!という人にとってはそういうパソコンで動画の閲覧や編集には驚かれることでしょう。閲覧するだけでもビックリするくらいスムーズですから(^^)
そしてきっとこれからは8KやVRなどといった様々な映像の形になるはずですので、この辺りの処理は良いに越したことはないのです・・・。
グラフィックやモデリングなどの3D処理
ゲーミングPCがゲーム以外で最も真価を発揮するのはきっと作業をされる方でしょう!設計のCADソフトはもちろんこと、アニメーションを作成するグラフィックソフト、3Dのレンダリングを行うモデリングソフトなどはゲーミングPCがその性能をフルに発揮できる用途といえます。
ゲーミングPCが一般的になる前までは、この辺りのことをされる方はパソコンを自作するか、大手メーカーのクリエータースペック(めっちゃ高いです)を買うしかありませんでした。ゲーミングPCの登場で選択肢が増えたことはホントにうれしい限り!
あえて言おう!これからゲーミングPCを普段使いしようとする方、デメリットと注意点
これまでの流れをいうとゲーミングPCって万能なんじゃね?と思われるかもしれませんが、やはりいいことばかりではありません。用途上は万能には間違いないですが、購入や運用の中では押さえておきたい注意点やポイントがあります。
いくら安くなったとはいえ、高い
まずゲーミングPCは一般的なパソコンからすると価格帯はちょっと上です。理由としては構成するパーツ類(CPUやグラフィックボード等)がそもそも高価なので仕方ないんですけど(^^;
それでも価格が下がってきているのは事実で、理由としては色んなメーカーの参入にあります。もともと自作系のパソコンを販売していたショップやメーカーなどが自社でパーツを構成し、ゲーミングPCとしてパッケージ化して売り出したことがきっかけで、比較的安価にゲーミングPCが買えるようにはなってきています。
万が一の故障時は散財となるケースも
構成するパーツが高価である以上、万が一の故障時や修理時にはそれなりに金額が掛かります。そしてメーカーによってはアフターサポートが手薄いところもありますので、より注意が必要です。
ゲーミングPCの購入時にはメーカーのサポート体制や保証制度などもしっかり確認しておいた方が無難です。
駆動音や電力消費が激しい
高負荷でガリガリ処理をすることが多いゲーミングPCの構成部品は、それなりに騒音が出ます。そして駆動の高負荷ゆえに消費電力も高め。機種にもよりますが、デスクトップパソコン比で1.5倍~2倍くらいの電力を消費すると思ってたほうが良いです。
騒音については大体が後述の熱のための電動ファンですが、こちらについては水冷のゲーミングPCを選ぶことで回避することが可能です。
熱に対する考慮もある程度必要
ゲーミングPCは高負荷で動くパーツで構成されているがゆえ、熱が結構出ます。そのため、設置環境があまりにも高温の場所だと動作が不安定になったり、最悪故障ということも起こり得ます。
自作PCと違い、メーカーが出しているゲーミングPCならそれらもある程度配慮された設計や構成となっていますが、「先々は自分でパーツをアップデートするんだ!」と目論んでいる方は排熱はある程度余裕のある機種を選んだ方が無難です。
本体サイズが思いのほかデカい
だいたいの方は通信販売でゲーミングPCを購入されると思いますが、まず注意点として結構デカいです。デスクトップやノートと形状はありますが、普通のパソコンの1.5倍から2倍くらいの本体サイズと思っていてください。デスクトップパソコンの場合、普通のパソコンがやっと置けるくらいの場所だと、間違いなく設置できません(^^;
ノートパソコンのゲーミングPCにしてもそれなりに大きく、厚みや重さもあるのでそれらも見落とすことなく機種を選びましょう。
ゲーミングPCを発売しているおすすめのパソコンメーカー
いかがだったでしょうか?デメリットや注意点、押さえておきたいポイントこそあるものの、ゲーミングPCは結構使えるカテゴリですよ(^^)
ただ、普通のパソコンからいきなりゲーミングPCを買うという方は機種選びやアフターサポート、製品保証などの部分もしっかりと相談できるところで買うことが失敗しない何よりもの方法です。
下記におすすめのゲーミングPCの販売サイトやメーカー等をリンクしておきますので、購入を検討される方は参考にしてみてください。
ゲーミングPCのおすすめメーカー
マウスコンピューター
商品をオリジナルでカスタマイズすることでパッケージされているゲーミングPCとは別の自分の用途や好みに合ったパソコンにすることが可能。
ASUS
スタイリッシュなゲーミングPCを取り揃えています。ノートパソコンでデスクトップPC並みのスペックを誇るゲーミングPCはとても人気。
この記事は購入にあたり参考になりました。ありがとうございました。
17インチの大画面のノートがあまりなくて、ゲーミングPCをビジネス用に買いました
結果的には超快適です。
唯一動作音がでかいのではないかと心配だったのですが、
購入した機種はファンのスピードがコントロールできて、排熱機構もしっかりしていて
前のビジネス機より静かです。
コメントありがとうございます!
こちらとしても、大変うれしく思います。
動作音は確かにおっしゃる通りの心配事ですね・・・。
それについてはなかなか比較も難しいので、ファンコントロールができるかどうかは要チェックな項目かもしれません。
大変参考になるご意見、ありがとうございました!
当方のコメントに返信いただけて幸いです。
ちなみに買ったのはMSiのやつ(GP73)で、ファンはばっちりコントロールできます。
キーボードもゲーミングキーボードブランドのSteelSeriesをわざわざ搭載していて打ちやすいです。
今の17.3インチノートPCのビジネス機は事実上Dell, HP, マウスあたりしかなくて、コスパ重視で正直安っぽくて妥協しているという感じなのですが、
ゲーミングモデルは結構いいパーツを使っていて、一昔前、高かった頃のPCみたい。
実際使ってみてなかのひと様の記事のように、ビジネスにゲーミングマシン、大いにありですねぇ。
特にでかいビジネスノートはしょぼいマシンしかなかったので、ゲーミングノートPCを買って快適に作業でき、満足してます! ちょと高かったですが(笑)